三条通デジタルマップ

地域に根付き、地域と共に歩んできた45R京都店

「気持ちの良い服を着て喜んでいただきたい」。そんな思いの元、自社で素材を生産し、縫製や仕様にこだわった高品質カジュアルウェアを国内外で展開している45R(フォーティーファイブ・アール、以下45R)。


1977年創業の日本服ブランドである同社は、2002年に45R京都をオープンさせ、約20年に渡って三条通でアパレル製品の販売を行なっている。今回はそんな45R京都をオープン時から支えるマイスターの岡田一惠さんにお話を伺った。


三条通で商いをはじめて約20年。45R京都とは。

(45R京都外観)

(45R京都店内の様子)

ーーまずは45Rがどんなお店なのか教えてください。


45Rは、素材や縫製、仕様にこだわったアパレルブランドです。2022年に45周年を迎え、「気持ちの良い服を着て喜んでいただきたい」という思いの元、国内外約60店舗で事業を展開しております。


そんな45Rが三条通にお店を構えたのは2002年の頃。もう20年以上、この三条通で商いをさせてもらっています。三条通に出店を決めたのは、弊社代表の高橋の直感。私が会社に入社してからもう40年近く経つのですが、入社当時から代表は「京都にどっしりとした店を作りたい」と話していました。「京都にお店を出したいけれど、どこかいいところはないだろうか」と探すなかで、「ここにしよう!」と数分で決めた場所が今の場所になります。


ーー先ほどお店を拝見しましたが、どこか懐かしい京都の雰囲気がありつつ、それでいて洗練された新しさを感じる佇まいですね。


45Rは全国にお店がありますが、時代に合わせて改修が入る店舗がありますが、そんななか三条店は一度も大きな改修が入っていません。景観に溶け込みつつ、それでいていつ来ても新鮮な印象を与えてくれる。通い続けてくれるお客様には「いつきても新鮮」と言われますし、はじめてきたお客様には「なんだかホッとするお店ですね」と言われることが多く、私たちも自慢のお店です。


町内会への参加が地域への理解と愛着を深めた

(45R京都建設中のお写真)


ーー45R京都のある場所は、お店ができる前にはどんなものがあった場所なんでしょう?


私たちがお店をはじめる前、ここには洋服屋やメンズショップ、あとは酒井法子のタレントショップ(1980年代に多くみられたタレントのグッズショップのこと)があったようです。また今はもうなくなってしまいましたが、もともと店の裏には素敵な蔵もありました。45R京都の奥の庭からみえる蔵の様子が、お店の雰囲気とマッチしてとても素敵だったんです。


20年の間に、通りの様子も随分と変わりました。今は新しい飲食店やアパレルが増えましたが、その一方で帯屋などのなくなった店舗も数多くみられます。8年程前からは、通りを歩く人も外国人の方が多くなったように思います。


ーー岡田さんは三条通の町内会にも参加し、まちづくりにも非常に意欲的だと伺っています。


私たちの会社は「地域に根差し、地域に貢献してきた方と共に取り組む」という考えを大切にしています。だからこそ私自身も、三条通にきた20年前から、桝屋町の町内会に参加させていただいてます。


45R京都では年末に餅つきをするんですが、そこでできたお餅を町内の方にお配りします。皆さんとても喜んでくださり、私たちも町内の皆さんとの関わりがあることを嬉しく思っています。また、祇園祭のときには店の前でかき氷やヨーヨー釣りをやることもあります。いろいろな方と交流ができて、私たち自身も楽しみなんです。


ーー町内会に参加していると、周りの皆さんから三条通の歴史や思い出を聞くことがあるかと思います。そのなかで特に印象に残っている出来事はありますか?


8月に行われる地蔵盆ですね。地蔵盆というのは、主に京都などを中心に行われる地域行事のことで、町内のお地蔵さんにお供え物をしてまつる、子供が主役の行事です。私も以前はまだ小さかった娘を連れ、よく遊びに行きました。お菓子をいただいたり、数珠まわしをしたり、京都ならではの文化を感じることができる行事でした。


そんな地蔵盆の話を町内の方から聞いていると、「もっと前は地蔵盆で子供たちの劇をやっていた時期もあったんだよ。」ということも伺い、街の行事が盛んに行われてきた三条通の歴史を感じました。


三条通をもっと若い人が気軽に来れる場所へ

(撮影時、店内にはさまざまな年代のお客様がいらっしゃいました)

(45R京都のある三条通の様子)

ーー岡田さんは三条通で20年近くお仕事をされていますが、この街にどんな印象を抱いていますか?


いろいろな風景や歴史から、やっぱりここは京都の中心なんだと感じます。もともと三条通は祇園祭の後祭で山鉾が巡行していた場所でもあります。そういった場所にイノダコーヒー、長谷川松寿堂、ゐど寿屋など、昔からのお店が今なお街の伝統を守りながら存在しています。


その一方で、時代に合わせて新しいものを取り入れていく姿もあり、歩行者天国などで通りが賑わっている様子に、私はこの三条通の未来が楽しみになりました。


ーー最後に、岡田さんは未来の三条通がどんな場所になったらいいと思いますか?


45R京都も三条通も、もっと若い人が気軽にこれる場所にしていきたいです。そのために、お店も通りも「三条通に行けば、いつもなにかやっている」という雰囲気を出していきたいですね。


「そうだ、京都行こう。」じゃないですけど、「そうだ、三条行こう。」みたいに、皆さんにとってもっと気軽に行きたくなる場所に、お店も三条通もなっていったらいいなと思います。


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